◎近況 渋谷。ギャル文化の衰退と新たな渋谷系の勃興

◎近況 渋谷。ギャル文化の衰退と新たな渋谷系の勃興

2014年07月16日発行

「現実のモノやコトは、一般にそうと思われている輪郭とはかなり違うことが多い」カルチャー領域、都市、海外などを日々、周遊している湯山玲子がお伝えする、今週のアンテナ、引っかかり報告。

>近況 渋谷。ギャル文化の衰退と新たな渋谷系の勃興

●渋谷の変遷

現在、1ヶ月に1週間の割合で、NHK第一ラジオの『すっぴん』の11:30からの音楽コーナーにレギュラー出演している関係で、渋谷に人々に足繁く通うことになっています。収録の後、久しぶりに渋谷のいろんなところを歩いて、それでちょっといまの渋谷を再認識というか、再発見をしました。

ご存じのように、渋谷のセンター街は、チェーン店がひしめき合って、猥雑さのあとの退廃のごとくの様相を呈しています。そこはそこで置いておいて、エミネムの『8マイル』じゃないけれど、駅から徒歩で10分ぐらいの距離に魅力的なスポットがこのごに及んで増えてきている。

それこそ暗渠になったいまでは跡形もなくなっていますが、もともと渋谷には童謡「春の小川」の“小川”である渋谷川、そしていまでも町名として残っている宇田川という川が流れていました。渋谷のパルコあたりからNHK放送センターにかけての通りというのは、この2つの川のちょうど間にあって、そのNHKの城下町とも言うべき暗渠沿いの通りにちょこちょこ魅力的なお店があるんですよ。

わたしが「ぴあ」にいた時代、90年前後にNHKスペシャルのファッションの企画のタイアップムックの制作ででNHKに通い詰めていたことがあったんですね。その頃にタコ部屋状態で徹夜仕事をした、第一共同ビルなんかはまだ残っているんだけど、その当時からの周囲の変遷を見ると感慨深いものがあります。

そのあたりはNHK職員御用達のオヤジっぽい、しかし個性的な飲み屋があって、当時も相当面白かった。役員御用達の『潮』という昭和な店の割烹は本当に素晴らしかった。もちろん、その頃は渋谷系の黎明期でぽつりぽつりとスタイリッシュな店はありました。そのひとつが「ブルーブルーエ」という雑貨屋です。

そこはカフェで使われていそうな、ブルターニュ地方の食器なんかを輸入していて、F.O.B.コープとはまた趣が違ったヨーロッパ雑貨がそれはそれはセンスがよかった。でも2000年になって経営方針が変わったのか、アトレやらにどんどん店舗を展開しはじめてからは単なる雑貨屋になっちゃって、いまではその魅力がほとんどなくなっちゃいました。

そして30年近く経った先日、そのエリアで面白いことが起こったんです。私はラジオがある日のお昼ご飯はいつもNHKの食堂なんかで済ませているんですが(けっこう新鮮な体験)、その日はたまたま外で食べようかな、ということで、道を歩いていたら、NHKエンタープライズ勤務の知り合いに会ってしまって、「じゃ、昼飯ご一緒に!」と彼女に連れてってもらったお店、ここがすごかった!

そこは古い雑居ビルの一角にあって、なんと、アフリカのコンゴ料理を出すという「ロス・バルバトス」という名前のバー。ここの個性的な店主、実は80年代にヨカショックというアフリカンバンドのベーシストをやっていた方で、世代もほぼ一緒で、私と共通の知人がたくさんいる。一番びっくりしたのが、サラリーマンのかたわら、レゲエ道一直線の私の夫のことを彼が知っていたんですよ。

それとさらに彼女と「今度一緒に行きましょう」ってことで、あるお店に場所だけ案内されたラテンバーは、もう、外見からして「間違いなし」という風情。ここは、爆クラにも出ていただいた作曲家の中島ノブユキさんやシンガーソングライターの畠山美由紀らが集う本拠地らしい。こういう出会いをすると私でさえも知らないところがまだまだあるんだと、改めて音楽の街、渋谷というか、渋谷系を生んだ新宿とはまた違ったこの土地の魅力を感じますね。。

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