飯塚事件について1

飯塚事件について1

2014年08月05日発行

2014・5・18  弁護士 徳田靖之

3月27日、静岡地裁は袴田巌さんの再審決定、刑の執行停止、拘置の停止をも認め、袴田さんは48年ぶりに釈放された。しかし、弁護団と家族、支援、そして彼自身の闘いがなければ、無実の彼は処刑されていたのだ。

そして3月31日、福岡地裁は冤罪を訴えながら処刑された久間三千年さんの再審請求を認めなかった。DNA鑑定が有罪の根拠とされた足利事件はその鑑定の誤りが明らかとなり再審無罪となったが、同じ方式の鑑定が有罪の根拠となった久間さんの再審はなされない。それはなぜなのか。ここに誤った死刑執行を隠蔽しようとする国の姿勢が見える。

袴田事件と飯塚事件は私達に今すぐ死刑執行停止の実現を求めている



1 飯塚事件とは

(1)1992年2月に発生した7歳の女児2名に対する誘拐、殺人事件

(2)2008年10月 再審準備中に死刑執行された

(3)2009年10月 死刑再審申立



2 事件発生から死刑執行までの経過

(1)事件の発生

1992年2月20日 通学途中の女児(当時小1、7才)2名行方不明

         となる

    2月21日 遺体発見

    2月22日 遺留品発見(着衣・ランドセル)

(2)元被告人への捜査の過程

1992年2月25日 自宅訪問し、事件当日のアリバイについて事情聴取←

愛子ちゃん事件

3月18日 再度の事情聴取

3月20日 ポリグラフ検査(シロ)、毛髪の任提

3月23日 科警研へ被害者ら膣内容等のDNA・血液型鑑定依 頼

4月21日 元被告人の毛髪のDNA・血液型鑑定依頼 

6月15日 科警研鑑定書の送付

DNA・血液型鑑定依頼 

7月 3日 帝京大学石山教授に同様資料についてのミトコンドリアDNA鑑定依頼

9月26日 元被告人所有車の押収

10月9日 同車の検証実施

1993年1月12日 石山鑑定書提出、元被告人の型不検出

    1月27日 同車からヒト尿痕及び血痕発見

3月17日 同血痕O型との鑑定

9月29日 元被告人が捜査員に対する傷害容疑で逮捕

略式罰金 

1994年3月23日 東レから、被害者の着衣から採取された繊維と元被 告人所有車のシート繊維が一致するとの鑑定書提出

9月23日 死体遺棄容疑で逮捕

10月14日 誘拐、殺人で再逮捕

11月5日 同容疑で起訴

(3)裁判の経過から死刑執行まで

   1999年 9月29日 福岡地裁死刑判決

2001年10月10日 福岡高裁控訴棄却 

2006年 9月8日 最高裁上告棄却

2008年10月28日 死刑執行



3 再審請求とその特徴

(1)2009年10月28日 再審請求書の提出

(2)再審請求としての特徴

  ① 死刑執行事件についての再審請求

  ② 足利事件との共通性

    DNA・MCT118型鑑定が実施され、共に16‐26型と判定されてい      

    る!



4 死刑執行に至る経過の異常性

(1)逮捕前から死刑執行に至るまで全面否認事件であったこと

(2)再審請求を弁護人に依頼し、その準備を始めており、その事実を法務省は熟知していたこと

(3)死刑判決確定の先後を無視しての死刑執行であること

(4)足利事件再審開始が確実視される状況下の死刑執行であったこと



5 確定判決の証拠構造と再審事由

(1)確定判決の事実認定の特徴と証拠構造

  ア 確定判決の事実認定の特徴

    「本件において被告人と犯行との結びつきを証明する直接証拠がなく、個々の状況事実の単独では被告人を犯人と断定することはできない」

  イ ...

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