飯塚事件について2

飯塚事件について2

2014年08月13日発行

7 再審請求後の経過と今後

(1)経過

   平成22年 8月31日 検察官意見書提出

        11月10日 再審理由書補充書その1(足利事件におけるMCT118鑑定の証拠能力)

          ″   検察官意見書への反論提出

        12月 7日 証拠開示勧告申し立て書提出

   平成23年 8月 2日 再審理由補充書その2(厳島鑑定に基づく手島証言の弾劾)

          ″   面談協議の申し入れ

   平成24年 1月26日 裁判所証拠取寄決定(ネガフィルム)

         2月29日 第1回3者協議~第10回3者協議

         9月 7日 ネガフィルムをデジタル化

         10月15日 本田第2鑑定書提出

         12月28日 大坪、登尾捜査官報告書開示

平成25年 4月15日 再審請求総括書面提出

      5月13日 本田鑑定人尋問

      6月26日     ″

      7月19日 請求人に対する意見照会

      8月 6日 裁判長定年退官

平成26年 3月31日 請求棄却

      4月 3日 即時抗告

(2)経過において明らかになったもの

 ア 科警研鑑定書における証拠の「加工」  

  ① XYバンドのカット

  ② 16型バンドの隠ぺい

 イ 目撃供述作成に至る経過の異常性

  ① 目撃者の3月9日付供述調書の特徴

    トヨタやニッサンでない サイドラインがない

  ② 3月7日に捜査官が元被告人の車を見分

(3) 請求棄却の骨子と今後

           決定骨子 

   平成21年(た)第11号 再審請求事件

   請求人 久間弘子 [事件本人(亡久間三千年)の妻]

   決定日 平成26年3月31日

   裁判所 福岡地方裁判所第2刑事部

裁判官 平塚浩司(裁判長) 吉戒純一 岡本康弘

主文

本件再審請求を棄却する

理由(骨子)

1 証拠の新規制

  証拠の新規制は、当該証拠が未だ裁判所によって実質的な証拠価値の判 断を経ていない証拠であれば認められ、鑑定についてもその基礎資料に従前の鑑定と同様のものが用いられたとしても、新たな鑑定人の知見に基づき検討が加えられたときには新規制は認められる。弁護人が提出した筑波大学本田克也教授作成の鑑定書及び同教授の証言並びに日本大学厳島行雄教授作成の第2次鑑定書等は、いずれも新規性が認められる。

2 証拠の明白性

  証拠の明白性は、当審に提出された新証拠と、その立証命題に関連するほかの全証拠とを総合的に評価し、新証拠が確定判決における事実認定について合理的な疑いを抱かせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠であるか否かを判断すべきものであり、その総合評価をするに当たっては、その判決の当否を審査する過程において確定記録中の全証拠をも検討の対象にすることができる。

(1) 厳島第2次鑑定書等について

  厳島第2次鑑定書は、不審車両の目撃供述の信用性を否定するが、鑑定の基礎資料である目撃状況の再現実験は、重要な点で目撃者が実際に不審車両を目撃した条件より不利な方向で異なっており、また、同鑑定書は、確定控訴審判決が指摘した目撃供述の信用性を肯定する事情について心理学の知見を踏まえた十分な検討がなされていないから同鑑定書によっても目撃供述の信用性は揺るがず、同鑑定書に明白性は認められない。また、弁護人が提出するその他の証拠によっても、警察官らが目撃者に対して供述を誘導したことが明らかになったとは言えず、これらの証拠にも明白性は認められない。

(2) 本田鑑定書等について

ア 血液型鑑定

  本田鑑定書等は、確定判決が有罪認定の根拠とした科警研の血液型鑑定について種々の疑問を呈するが、その指摘は、再鑑定や実験結果などに依拠せず、血液型鑑定の一般的な性質のみに基づいて科警研鑑定を論難するに過ぎないなど、当を得ないものであるから、いずれも採用できない。

イ DNA鑑定

  本田鑑定書等は、確定判決が有罪認定の根拠とした科警研のMCT118型鑑定について種々の疑問を呈するとともに、真犯人は事件本人とは別の人物である可能性が高いと指摘する。本田教授の指摘のうちポリアクリルアミドゲルで123塩基ラダ―マーカーを使ってMCT118型を判定すると型判定を...

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