Vol.49 スコットランドが独立していたら何が起こっていたか (1)

Vol.49 スコットランドが独立していたら何が起こっていたか (1)

2014年09月26日発行

■ 目次
1. スコットランドが独立していたら何が起こっていたか
2. 英語でポン!:parliament
3. Q&A
「日本文化は特殊なのか?」
「欧州と北米では少年少女が活躍するアニメは受け入れられるか?」
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1. スコットランドが独立していたら何が起こっていたか (1)

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前回のメルマガでは、スコットランド独立問題の背景を、イギリスさん(夫)と、スコットランドさん(妻)の離婚に例えて説明しました。前回予告した様に、今回は、スコットランドが独立していたら、一体何が起こっていたのか、ということを、政治経済の観点から、少々真面目に説明します。お読みになれば、なぜワタクシが独立反対派なのかお分かりになるでしょう。

■通貨問題勃発
スコットランドが独立しても、独自通貨を準備するのには手間を時間がかかります。そこで、スコットランドは貨幣としてイギリスポンドを使用すると言っていました。

しかし、イギリスポンドはイギリスのお金であり、スコットランドのお金ではありませんから、スコットランドにはイギリスポンドに関して意思決定する権利がないのです。権利がないとかどういうことかと言うと、通貨を通して経済をコントロールする力がないということです。

イギリスポンドをコントロールする力があるのは、イギリスの中央銀行です。経済をコントロールするために、中央銀行は公定歩合(政策金利)を決める力を持っています。公定歩合とは、国家の中央銀行が一般の銀行にお金を貸し出す時の年あたりの利息のことです。中央銀行は銀行のための銀行です。一般の銀行が会社や個人にお金を貸すのには、沢山のお金が必要ですが、銀行にはそんなに沢山のお金があるわけではありません。そこで、銀行の銀行である中央銀行からお金を借りているわけです。

中央銀行は、公定歩合を変動させることによって、景気の調整を行います。景気が良い場合、つまり、仕事が沢山あり、失業率が低く、物やサービスが沢山売れる場合は、給料や物の値段が上がります。しかし、これが加熱しすぎると、物やサービスの値段が全体的にあがります。これをインフレーションと言います。給料や物が高くなりすぎると、他の国との競争に不利になります。お客さんは安い物を求めるからです。物やサービスが売れなくなると景気が悪くなってしまいます。

そこで、中央銀行は公定歩合をあげて、物やサービスの値段が上がりすぎるのを防ぎます。中央銀行は一般の銀行にお金を貸しているので、中央銀行から借りる利息が高くなれば、一般の銀行は、会社や個人に貸し出すお金の利息を高くします。利息が高くなると、お金を借りる会社や一般の人は減りますので、社会に出回るお金の量が減るわけです。

一方、景気が悪い場合、中央銀行は公定歩合を下げます。景気が悪いとは、仕事が少なく、失業している人が多く、物やサービスが売れない状態のことを指します。中央銀行が公定歩合を下げると、一般の銀行は、会社や個人に貸すお金の利息を下げます。すると、お金を借りる人が増えます。会社は借りたお金で商売をやるのに必要な機会や材料や事務所や人件費にお金を使いますので、物やサービスが売れる様になります。つまり、社会に出回るお金の量が増えるわけです。

しかし、スコットランドが独立してイギリスポンドを使う場合、スコットランドには通貨を通して経済をコントロールする力がないので、経済の先行きを、イギリスに支配されることになります。
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