No.112 新宿署痴漢冤罪憤死事件の証人尋問ーーH巡査、主尋問

No.112 新宿署痴漢冤罪憤死事件の証人尋問ーーH巡査、主尋問

2015年04月17日発行

  2010年12月に、ある成年が自殺しました。その前夜、成年は新宿駅で喧嘩に巻き込まれます。相互暴行だとして、新宿署に任意同行で向かいます。新宿署では、痴漢をした容疑だと言われて呆然とします。翌朝、痴漢の件ははっきりしないまま、相互暴行の件で、呼び出しに応じるとの念書を書かされます。しかし、成年は、痴漢容疑が晴れないと思い、早稲田駅で飛び込み自殺をします。

 遺族の母親は警察に事実関係を問い合わせますが、納得しません。そこで、目撃者探しをしたり、JRに防犯ビデオを見せてもらえないかなど、自ら真相をつきとめようと動いていました。結果、2011年6月、東京都を相手に提訴しました。

 3月9日。提訴から4年経ち、ようやく、当時、亡くなった青年を取り調べた警察官の証人尋問が行われました。


新宿署痴漢冤罪憤死事件の証人尋問
原告:原田尚美
被告:東京都
H23(ワ)13866

裁判長 小海隆則
右陪席 作原れい子
左陪席 村井佳奈

証人:H*当時:新宿駅西口交番勤務

被告代理人 当日の駅構内での喧嘩があるとどうやって知ったか?

H 駅員からの訴え。直接、西口交番へやってきて、「喧嘩です。すぐに来てください」。宿利と一緒に現場へ。

代理人 現場に到着すると?

H 原田さんは駅員二人に向かい合って、携帯電話を持って「駅員に囲まれている」と。囲まれているのではない。向かい合っていた。女性たちは近くに立っていた。

代理人 誰から事情を聞いた?

H 駅員から。階段の下で、女性の友人(甲)に原田さんが馬乗りになっていた。興奮してなかなか離れないので、剥がそうとしていたときに名札を取られた、と。原田さんは「俺は名前を見ようとした」と言っていた。原田さんは興奮をしており、「一方的に暴行を受けた」と。Sと仲裁に入り、抑えた。原田さんは「甲と駅員から暴行を受けた」と。

代理人 外見上、暴行を受けたとわかる?

H けがをしていなかった。

代理人 けがをしているとは言っていた?

H そういう話はしていない

代理人 女性からは話を聞いた?

H はい。Sが聞いていた。原田さんが女性の胸の下を触って、甲ともみ合いになった。

代理人 それからどうなった?

H 甲がお前だろと、その後、原田さんが馬乗りになっておた。現場で確認している。

代理人 証人はどうした?

H 甲と女性から詳しく聞こうと。原田さんが興奮していたので、西口交番へ同行してもらった。

代理人 被害女性たちも?

H はい

代理人 駅員二人は?

H 勤務中だったので、すぐには行けない、ということだった。

代理人 任意?

H 原田さんは「任意か強制か?」を聞いていた。任意だというと応じていた。

代理人 終電はまだあった?

H ありません

代理人 挑発はしましたか?

H していません

 乙25証 マスクをつける警察官。その横に原田さん。

代理人 なぜ一人で?

H 同行に応じていただいたので、複数でする必要はなかった。交番には、私の案内で原田さん自ら入った。

代理人 西口交番ではどうした?

H 入り口正面の下手へ、と。

代理人 応じたか?

H 原田さんは自ら部屋に入り、椅子に座った。

代理人 興奮していた?

H 若干、落ち着いていました。

代理人 原田さんはなんと?

H 「甲と駅員が暴行した。110番のYさんにすべてを話した」と。

代理人 酔っていた?

H かなり酔っていた。

代理人 被害女性は?

H 酒は飲んでいたが、落ち着いて話をしていた。

代理人 どんなことを聞いた?

H 「胸の下あたりを触られた。甲ともみ合いになって、原田さんが馬乗りになっていた。駅員が来てくれた」

代理人 原田さんは駅員に殴られた?

H 女性「手を出していない」

代理人 けんかの状況はわかったのか?

H 食い違いがあり、わからない。

代理人 新宿署の指示は?

H Sが地域課の上司から聞いていた。生活安全課からの指示。I警部補。もうすこし事実を確認を、と。

代理人 事実を確認?

H 確認できません。

代理人 新宿署は?

H SがまたI警部補へ電話をした。「詳しい話を生活安全課で聞く。同行してほしい」と。

代理人 関係者全員?

H はい。

代理人 同行に応じたか?

H 時間の確認、帰宅時間の保証、電話が壊れたので、電話をかけさせてくれることを頼まれた。

代理人 それはどうしたのか?

H 帰宅時間は保証できない。電話は新宿署についたときに生活安全課で確認をしてほしいと。

代理人 使えるといったのか?

H 騙してはいません。

代理人 録音していたことは知っていた?

H 知っていました。

代理人 電話を使えることは確認していたのか?

H 話しておくと言っておいた。生活安全課で対応するという話だった。

代理人 新宿署への同行は?

H 応じた。

代理人 原田さんは痴漢の被疑者だとわかっていた?

H 騙していない。

代理人 同行の際、「暴行の被害者ですよね」と。

H 伝えてあります。

代理人 どういう話を?

H 原田さんは一方的に暴行を受けたと言っていると。

代理人 生活安全課には同行してない?

H I警部補の指示だ。危険なものを持ってないか所持品検査をした。

代理人 同意は?

H 同意をしていただいた。

代理人 それ以外は?

H I警部補から「飲酒検知をするように」と。素直に応じた。

代理人 乙24号証 鑑識カード
 署名押印は強制?

H ありません。
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