日米123協定(=日米原子力協定)の延長交渉を理解するために「不拡散派」を理解しておく イランや韓国の動向と日米原子力協定延長問題は重大な関係があった!

日米123協定(=日米原子力協定)の延長交渉を理解するために「不拡散派」を理解しておく イランや韓国の動向と日米原子力協定延長問題は重大な関係があった!

2015年09月11日発行

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日米123協定(=日米原子力協定)の延長交渉を理解するために「不拡散派」を理解しておく イランや韓国の動向と日米原子力協定延長問題は重大な関係があった!

〜シリーズ日米原子力協定 “極秘” 動向調査レポートを暴く!(2)〜

「座間宮ガレイ2.0のキラーメルマガ「驚いたことを毎日送りつけてやるっ!」
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前号の振り返り
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さて、今日は「シリーズ日米原子力協定 “極秘” 動向調査レポートを暴く!」2本目になります。

2018年に期限を迎える、日米原子力協定の延長問題について解き明かすシリーズとなっています。

素材は、経産省が「極秘」的に作成したレポートです。タイトルは『平成 26 年度発電用原子炉等利用環境調査 (米国における原子力政策に関する動向調査)』です。

これは、米国や世界の原子力外交や情勢について動向調査したものです。

前回の(1)は、経産省が外部委託して作らせた原子力協定の準備のための、アメリカ合衆国内の動向調査「極秘」レポートの発見などについて説明しました。

・原子力協定=123協定
・日米原子力協定=日米123協定

という表現で、全く「日米原子力協定」というキーワードを使わずにレポートが作成されている点についてお知らせしました。国民にできるだけ見つからない言葉で書かれていると私は分析しています。そういう意味で「極秘」です。「隠密」と言って良いかもしれません。

さらに、この極秘レポートは、作成から「5ヶ月」もたってからウェブに公開されています。なぜそんなに時間が開いているのか。今回このことが重要に絡んできます。

税金を使って作成したにも関わらず、「隠密」に「5ヶ月もたって」公開された極秘レポートを今回も分析していきます。

私たちの税金で作られたレポートですからね!どんどん騒いで、多くの人に伝えていきましょう!

前号を詳しく読みたい方は(http://seijijousei.blogspot.jp/2015/09/blog-post_35.html)を御覧ください。

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「不拡散派」を理解すると「原子力外交」について深く理解できる。
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さて今回は、米国の原子力業界の動向についてです。

いきなりですが、このメルマガを読んでいる皆さんに絶対に理解してほしいことがあります

おそらく皆さんは原子力の業界が以下の2つに分かれていると考えていると思います。

(1)脱原発派
(2)原発推進派

ですがこれでは、原子力外交を解き明かすことはできません。

以下のように理解して下さい。

(1)脱原発派
(2)不拡散派
(3)原発推進派

「不拡散派」を含めた3つの「派」がいると考えて下さい。この捉え方ができて初めて原子力外交を解き明かすことができます。

「不拡散派」とはなんぞ?

もう少しこれを詳しく言うと、

「特殊核分裂性物質 不拡散派」

となります。

プルトニウムやウラニウムなどの核兵器の材料となる「特殊核分裂性物質」を「拡散」させないようにする方針をとる一派を「核不拡散派」と呼びます。「特殊核分裂性物質」という言葉は日米原子力協定の本文に出てくる専門用語です。

ちょっと引用してお見せしますね。

日米原子力協定、第一条には以下の様な説明があります。

--------------< 引用開始 >-------------

(g) 「核物質」とは、次に定義する「原料物質」又は「特殊核分裂性物質」をいう。

(i) 「原料物質」とは、次の物質をいう。

ウランの同位元素の天然の混合率から成るウラン
同位元素ウラン235の劣化ウラン
トリウム
金属、合金、化合物又は高含有物の形状において前記のいずれかの物質を含有する物質
他の物質であつて両当事国政府により合意される含有率において前記の物質の1又は2以上を含有するもの
両当事国政府により合意されるその他の物質

(ii) 「特殊核分裂性物質」とは、次の物質をいう。

プルトニウム
ウラン233
同位元素ウラン233又は235の濃縮ウラン
前記の物質の1又は2以上を含有する物質
両当事国政府により合意されるその他の物質
「特殊核分裂性物質」には、「原料物質」を含めない。

http://blog.livedoor.jp/gensiryokukyoutei/archives/25718712.html

--------------< 引用終了 >-------------

米国には、「不拡散派」の学者や政治家はいます。米国の民主党には「不拡散派」が多い傾向にあります。対立するのは「推進派」です。こちらは共和党に多い傾向があります。

どちらも原子力業界の専門家ですが、立場が全く異なり、対立構造にあります。

オバマ大統領は民主党ですから「不拡散派」の影響が強いと言えます。核兵器をなくすと宣言したり、プルトニウム燃料工場(MOX燃料工場)を閉鎖したりなど不拡散派の影響を受けた政策が目立ちます。ここではこの程度ざっくり説明しておきます。

同じく、日本にも「不拡散派」の学者はいます。例えば、元原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎氏は「不拡散派」です。日本の不拡散派の学者も米国の不拡散派の学者と同じように考えています。もんじゅについては廃止。再処理については終わらせるべきだと考えています。先日、日本の核燃料サイクル事業は国営でやるということに決まりましたが、これに対しては不拡散派の鈴木達治郎氏は否定的な見解を持っています。

鈴木達治郎Twitter
https://twitter.com/tatsu0409

不拡散派は、使用済み燃料からプルトニウムを取り出す「再処理」に対して否定的です。なぜなら、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出せば、地上のプルトニウムが増え、その分プルトニウムが世界中に拡散するリスクが増えると考えるからです。プルトニウムを保有すること自体テロの対象になる可能性があり、不拡散派はこのようなリスクを出来る限り減らしたいと考えています。

不拡散派は、ウラン濃縮に対しても同じように否定的です。日本人の脱原発派はウラン濃縮に対してのケアが薄いのでこの際、理解を深めといて下さい。ウラン濃縮でも核兵器は作れますからね。プルトニウムだけじゃないですよ。国際的には、核不拡散の視点では「再処理とウラン濃縮」はセットで捉えられています。

さて、ここまでで、「不拡散派」についてざっくりご理解いただけたと思います。

裏返せば、日本は、世界の中で、かなり特別に「再処理」を米国から認められた国なのです。日本の他にはEUがそうです。この2つの国(地域)だけが特別で、格が違うとされています。

だからこそ日本はこれを手放したくないのです。手放せば二度と手に入らない可能性があるからです。そうするとこれまで投資したことが全て無駄になってしまいます。

ですが今のところメリットはありません。今のところ日本の再処理事業は大赤字で今後も赤字を垂れ流すにもかかわらずです。新国立競技場の比ではありません(笑)。日本では反原発や脱原発問題として核燃料サイクル、もんじゅ、六ヶ所再処理工場が取り上げられがちですが、「財政健全化」や無駄遣いという視点から取り上げる必要があるようにも思います。

ちなみに、米国では保有している余剰プルトニウムの処理を「コスト」面で決めていたりします。不拡散派によってコスト面が検証され政治的な影響を与えていると言えます。民主党政権だからこそそういう流れになっています。来年の大統領選挙によって、共和党政権になった場合、また情勢は変る可能性があることを忘れてはいけません。

それではもう少し踏み込んでいきます。


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今年に入って世界で起きた2つの重大な出来事
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実は、今年に入って、この「不拡散」と関連のある重大な出来事が2つありました。

韓国とイランでそれは起きました。

▼韓国
・・・韓米原子力協定の締結

▼イラン
・・・核合意の成立

そしてこの2つは、日米原子力協定(日米123協定)と深く関わっているのです。

どの様の関わっているのか、少し考えてみてください。

(30秒考えてみてください)

それでは答えです。

日本が再処理やウラン濃縮を認められていることに対して、韓国もイランも「だったらうちの国も認めろよ」という姿勢だったということです。

そして、その2国がある程度現段階の結論を出したということです。

韓国は、韓米原子力協定の締結によって、本格的な再処理は認められなかったものの一部研究が認められ、今後の再処理能力を持てる可能性を残す条件で合意しました。

イランは、再処理やウランの高レベルの濃縮をあきらめることで合意し、国際社会に復帰する流れとなっています。

一見バラバラに見えるこの2つの出来事と、日米原子力協定の延長交渉には、重大な関係があります。

アメリカ極秘動向調査レポートには、米政府高官の発言として、

「日本の再処理の問題と韓国とイランがリンクしているので慎重に考えばければいけない」

という内容が書かれています。

このことが、私が今取り上げている「米国動向調査極秘レポート」の発行と影響しているのです。

つまり、私は次のように分析します。


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日本の再処理と、イラン・韓国の核問題はどのようにリンクしているのか
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経産省が8月28日に公開した米国動向調査「極秘」レポートは、なぜ5ヶ月後に公開されたのでしょうか。

それは、イランと韓国の問題が解決したからではないだろうかと私は考えます。

イランと韓国の問題が進行している状況で、もしこの動向調査レポートが公開されれば、ひょっとすると2国がこれを手に入れれ、日本の動向を分析しつつ、米国との交渉に活かす可能性があるからだ、というのが私の推測の根拠です。

米国の高官が「日本の六ヶ所はイランと韓国の問題に影響を与えている」という内容を述べているのですから。それを逆手に利用しない手はありません。

さらに、もしイランと韓国が米国ともめ続けた時、その影響が日米原子力協定の交渉に出る可能性もあります。

イランと韓国が「なぜ日本だけを認めるのだ」とごね続けた時に、米国はひょっとすると日本の再処理について否定的に捉える可能性が出てこないとも限らないからです。そんなに日本の再処理が国際的にトラブルを引き起こす要因となるなら、いっそのことやめさせたらよいという論調が出てこないとも限らないからです。

だからこそ、日本の経産省は出来る限り慎重に「イランや韓国」を刺激しないよう、さらに国民も刺激しないように、「寝た子を起こさぬよう」日米原子力協定の延長を目指すための「米国動向調査極秘レポート」を作成したと言えます。

韓国とイランの問題が解決してから、米国動向調査「極秘」レポートが公開されたことには、ある程度国際情勢を踏まえた理由があるように私は感じています。

それほど、日米原子力協定の延長問題は、国際的に機微な問題であると理解しておくとよいでしょう。

ここまでいかがでしたでしょうか。

米国内の「核不拡散派」が、世界の原子力外交に影響を与えていることがわかると思います。

よく、陰謀的に「アメリカは」と米国内の情勢を一括りにして論じる人がいますが、それでは未来を予測することはできません。米国内にも大きくわけて2つの立場があり、せめぎ合って米国の外交方針が決められているのです。

日本でも核不拡散派がある時期までかなり頑張りましたが(鈴木達治郎氏ら)、現在は推進派が強い影響力を持っています。不思議なことに日本の推進派のもつウラン利権といってもたかが知れています(ウランを生産しないため)。米国にぶら下がるのが日本の原子力推進派と言えます。

さて、ここまでが、無料で公開する部分です。

多くの人に知ってもらいたいのでついつい書きすぎてしまいます。

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2018年7月に期限を迎える日米原子力協定の延長の準備のために、経産省が動いている状況について、理解していきましょう。
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