(314)その移籍は栄転か否か。移籍シーズンで見るべきポイント

(314)その移籍は栄転か否か。移籍シーズンで見るべきポイント

2017年01月06日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(314)その移籍は栄転か否か。移籍シーズンで見るべきポイント

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 移籍を機に存在価値を高める選手もいれば、下げる選手もいる。クラブも同様。
移籍は、選手とクラブ、それぞれの立ち位置、順列があぶり出される瞬間だ。
 
 放出するクラブ。獲得するクラブ。そして選手。1つの移籍に絡むのはこの3
者だ。
 
 選手の立場で言えば、現在のクラブからどのクラブに移籍するかは重要なテー
マだ。より高いレベルのクラブに行くか、低いクラブに行くか。選手の価値はそ
こで明確になる。
 
 一方クラブは、どのクラブへ誰を放出したか、どのクラブから誰を獲得したか
が価値のバロメーターになる。
 
 例えば、横浜Fマリノスから中村俊輔を獲得したがっていると言われるジュビ
ロ磐田。中村はまだまだやれそうな選手だとはいえ、現在38歳だ。いま以上の活
躍は期待しにくい、いわば下降線を辿っている選手。もし横浜から磐田への移籍
が決まれば、両クラブ間のヒエラルキは鮮明になる。ストレートに言えば、横浜
が要らないと言った選手を必要とする磐田は、横浜より格下のクラブと言うこと
になる。
 
 磐田のファンにすれば、喜ぶべき話か、現実を知らされ落胆すべきか、微妙な
ところだ。元大スターの中村を目の前で見られることは喜ばしい話だが、それは
同時に、自らのクラブがB級であることを証明する事象でもある。
 
 とはいえだ。磐田のイメージは昨季の成績(年間13位)より悪くない。黄金期
のイメージが残っているので、例えば、仙台(12位)や甲府(14位)などより上。
中村にとっては、歓迎すべき移籍と言えるだろう。マイナーなクラブへ移籍するイ
メージは湧きにくい。
 
 磐田に対して格上感を示すことができた横浜。格下感を示されてしまった磐田。
そして、成績よりよいイメージがある磐田に移籍しそうな状況にある中村。この
3者の中で一番ハッピーではないのは、実は磐田というクラブではないかと思う。

 片や、佐藤寿人の広島から名古屋への移籍は、大団円に見える。広島で出場機
会を減らした元得点王。移籍先の名古屋はJ2に転落したチームで、多くの選手が
クラブを去っていったが、やはり腐っても名古屋だ。Jリーグ指折りの金満クラブ。
さらに風間八宏氏の新監督の就任も決まっている。聞けば、風間新監督は佐藤寿人
のことを、従来から高く評価していたとか。
 
 その移籍が報じられたのは11月。風間氏の名古屋入りが報じられたタイミング
より、ずいぶん早かった。それぞれの名古屋入りは、抱き合わせで一緒に決まっ
ていたのではないかと勘ぐりたくなるほどだ。
 
 川崎からFC東京への移籍が決まった大久保嘉人の場合はどうだろうか。佐藤
寿人と同い年生まれの34歳、佐藤寿人が2012年の得点王で、大久保は翌2013年
から2015年まで3シーズン連続で得点王に輝いている。衰え知らずに見えるのは
大久保だ。
 
 とはいえ34歳だ。今季のゴール数は16(昨季...

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