(319)イタリアの地を踏んだ三浦知良と本田圭佑。その一番の“違い”

(319)イタリアの地を踏んだ三浦知良と本田圭佑。その一番の“違い”

2017年02月14日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(319)イタリアの地を踏んだ三浦知良と本田圭佑。その一番の“違い”

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 94−95は、93−94の覇者ミランが、破竹の勢いで勝ち上がってきたアヤック
スにチャンピオンズリーグ決勝で敗れ、2連覇を逃したシーズンとして記憶され
る。一方で、日本初のセリエAプレイヤーの誕生に湧いたシーズンでもある。晴
れてジェノアの一員となった三浦知良は、開幕戦にスタメン出場。サンシーロで、
時の欧州チャンピオン、ミランと対戦した。

 ところが前半なかば過ぎ、ミランの名ディフェンダー、フランコ・バレージと
空中戦で競り合った際、鼻を激しく強打。病院直行となり、戦列から長期間離脱
することになった。この出だしの躓きがなければという気もするが、カズは1シ
ーズンでジェノアを退団。日本に帰国することになった。

 出場した試合は21。先発出場は10試合に留まった。期待が大きかっただけに、
残念な結果に見えた。それまでイケイケどんどんでやってきたカズが一転、出番
を失い、意気消沈する姿に欧州のレベル、実力の世界の厳しさを見た気がした。

 カズはその時、それでもなお、自分を日本代表に招集した加茂監督(当時)に
対して、次のように意見した。

「これだけ試合に出ていない選手を代表監督は普通、招集しない。代表に選ぶの
なら、イタリアで俺がいまどんな状態に置かれているか、実際に見に来て欲しい。
監督の目で現状を確認して、それでも戦力になると言うのなら、選ばれたいけれ
ど、そうでないのだから、戸惑うよね」と。

 ジェノアでの評価は低いのに、加茂監督の評価は相変わらず高い。なぜと考え
るのは、選手として当然だ。どちらの評価が正当か。加茂監督の評価を信じたい
のだけれど、実際にプレイを見ていないのであれば、その評価を信用することは
できない。自信の回復には繋がらない。選ばれることに違和感を感じたとしても
不思議はない。
 
 本田圭佑の出場試合数は、シーズンの3分の2以上が経過して4。スタメンは
1試合で全出場時間はたったの96分だ。当時のカズの方が何倍もマシに見える、
著しく低い評価を受けている。
 
 次戦で代表に招集されれば、はせ参じるつもりでいるのだろうか。カズのよう
な気持ちに襲われることはないのだろうか。ミランのモンテッラ監督から受けて
いる低評価が気にならないのだろうか。
 
 1月31日をもって欧州の移籍市場は閉鎖。本田はミランを離れなかった。「選
手はプレイしてなんぼ」と言われるが、だとすれば、出場の見込みが薄いことが、
あらかじめ分かりきっているにもかかわらずミランに残留するなら、それはプレ
イする気がない、選手の本分から外れた行為になる。
 
 しかもハリルホジッチからは、こう明言されていたはずだ。...

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