(320)今季Jリーグ一番の注目は鹿島の“七変化”

(320)今季Jリーグ一番の注目は鹿島の“七変化”

2017年02月24日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(320)今季Jリーグ一番の注目は鹿島の“七変化”

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 間もなく開幕するJリーグ。本命に推したくなるのは鹿島だ。チャンピオンシ
ップからクラブW杯。年をまたいで天皇杯、ゼロックス・スーパー杯、そしてア
ジアチャンピオンズリーグ(ACL)の初戦(対蔚山戦)にも勝利を飾り、目下
敵なしの状態にある。

 今季は、Jリーグ最強の外国人選手、レオ・シルバなど、有力な外国人選手が
3人加わった。選手層はいっそう分厚くなった。1シーズン制になったJリーグ
とACL。タイトルを同時に狙おうとしたとき、問われるのはそこ。鹿島を本命
に推したくなる最大の理由だ。

 ゼロックス・スーパー杯とACL初戦の戦いを見る限り、スタメンは定かでは
ない状態にある。選択肢が数多く存在するために。フィールドプレイヤーでスタ
メンが確約されているのは、センターバックの2人(昌司源、植田直道)とレオ
・シルバぐらいではないだろうか。

 例えば、小笠原満男はスタメンで起用したい選手だ。チームの顔役であり、頼
りになるベテラン。中村俊輔(横浜→磐田)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、中村憲
剛(川崎)と並ぶ絶対的な存在に見える。だが、この3選手が、スタメンはもと
より途中でも代えにくい、取り扱いに細心の注意が求められる選手であるのに対
し、小笠原は先発を外すことも、途中交代させることも可能だ。それでも事件に
は至らない。石井正忠監督は実際、スパッと躊躇うことなく代える。そこに鹿島
の強さを見る気がする。

 ベンチに下げる選手と異なるポジションの選手をピッチに投入する戦術的交代
も頻繁に行われる。それを後押しするのが、ユーティリティプレイヤーの存在だ。
複数のポジションをこなすことができる選手が、鹿島には数多く存在する。メン
バーはぐるぐる入れ代わる。相手を幻惑しやすいサッカー。読まれにくいサッカ
ーなのだ。

 それを後押しするのが布陣。中盤フラット型4−4−2だ。選手が布陣の上を
玉突きのように移動する戦術的交代選手を、実戦しやすい布陣である。浦和レ
ッズ他、Jリーグの多くのチームが使用している3−4−2−1と比較すれば明
らかだ。

 3−4−2−1は、サイドアタッカーが両サイド各1人しかいない布陣だ。ウイ
ングハーフが1人で、その縦に長いエリアをカバーする。いわばスペシャリスト
だ。他のフィールドプレイヤーとは求められる資質が違う。

 そのユーティリティ性は概して低い。他のポジションを務めることが難しいの
で、ウイングハーフはウイングハーフとしか交代が利かないケースがほとんどだ。

 中盤フラット型4−4−2のサイドアタッカーは両サイド各2人。サイドバック
とサイドハーフになるが、サイドアタッカーとしてのスペシャリスト度は、3−4
−2−1−のウイングハーフより断然低い。

 鹿島には、サイドハーフをこなすことができる選手が数多くいる。土居聖真、
遠藤康、フ...

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