グーグル検索エンジンは、普遍的な公正さを持ちうるのか? 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.439

グーグル検索エンジンは、普遍的な公正さを持ちうるのか? 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.439

2017年03月13日発行

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佐々木俊尚の未来地図レポート     2017.3.13 Vol.439
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【今週のコンテンツ】

特集
グーグル検索エンジンは、普遍的な公正さを持ちうるのか?

〜検索エンジンの期待される未来と民主主義(前編)

未来地図キュレーション

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■特集

グーグル検索エンジンは、普遍的な公正さを持ちうるのか?

〜検索エンジンの期待される未来と民主主義(前編)
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 先週も予告した、読者の方からのメールへの回答です。まず前編から。


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 いつも興味深いメールマガジンありがとうございます。最近感じていることでの質問があります。
 これからの検索エンジンについてです。現在、グーグルが支配している中ではありますが、最近はインスタグラムなどのSNSで情報を検索するような世代もでてきているというニュースやまわりを見て驚いてます。確かに個人的に言うとグーグルでの検索は情報の新しいものが上がってきてない部分というのが不満ではあります。ただSNSでの検索がそれを凌駕するほどのものかと言うとそうではないように思います。今私は情報を集めるときに、リアルタイムでの検索だったらツイッター、写真関連での検索はインスタグラムなど、場面場面に応じて使い分けている状態です。私のような使い方をしている人は多いかと思いますが、これからはどういった方向にシフトしていくのでしょうか?今メルマガで題材にされてる次のプラットフォームともリンクする部分もある話かと思いますのでご意見お聞かせください。よろしくお願いいたします。

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 グーグル検索は、その有効性が最近疑われています。前回も書きましたが、典型的なのはDeNAのキュレーションメディア騒動。グーグルの検索結果に、根拠のない怪しい医療記事がたくさんヒットしてしまっているという事態が、この騒動の原因のひとつになってしまっています。



◆Googleは使わない、SEO対策しているから
——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」

http://jp.techcrunch.com/2016/03/03/istagram-genking/?

 これは昨年3月にテッククランチ日本語版に掲載された記事です。Instagramでフォロワーが100万もいるGENKINGさんがこう語っています。「Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。Instagramは検索することで言葉より画像が表示される」



 このような感覚は、最近のSNSユーザーには自然と理解できるでしょう。必要な情報を得たい時にグーグルで検索しても、リスティング広告やSEO対策で武装した薄っぺらい情報ばかりが検索結果に上がってきて、使いものにならない。なので最近は、ツイッターで検索する人が多いようです。

GENKINGさんのようにインスタグラムで検索するという話もよく聞きます。



 まずグーグルの検索の「信頼性」の話から入りましょう。



 海外でもグーグルの信頼性が揺らいでいることはしばらく前から指摘されており、極端なケースを紹介すると、グーグル検索で「Holocaust」と英語で検索すると、なんと検索結果上位には「ホロコーストはなかった」と否定する記事がずらりと並んでしまうという状態になってしまっていました。これは最近、世界的な社会問題になっているフェイク(偽)ニュースにもつながってくる話です。



 本メルマガでも何度か紹介しましたが、このフェイクニュース問題が急浮上したのは昨年のアメリカ大統領選挙がきっかけで、たとえば「ローマ法王がトランプを支持した」「ヒラリー・クリントンが小児性愛犯罪に関わっている」というようなフェイクニュースが多く流れました。後者のデマでは、フェイクニュースが首都ワシントンDCのとあるピザ店を売春の拠点となっていると名指ししたため、20代の男が店に銃を持って押し入って発砲、警察に逮捕される事件にまで発展したほどでした。



 こういうフェイクニュースが氾濫し、グーグル検索も浸食されている事態に対し、同...

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