DeNA問題は、グーグル検索の大いなる敗北である佐々木俊尚の未来地図レポート vol.440

DeNA問題は、グーグル検索の大いなる敗北である佐々木俊尚の未来地図レポート vol.440

2017年03月20日発行

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佐々木俊尚の未来地図レポート     2017.3.20 Vol.440
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【今週のコンテンツ】

特集
DeNA問題は、グーグル検索の大いなる敗北である

〜検索エンジンの期待される未来と民主主義(後編)

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■特集

DeNA問題は、グーグル検索の大いなる敗北である

〜検索エンジンの期待される未来と民主主義(後編)
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 先週に引き続き、検索エンジンのこれからについて考えていきます。DeNAのメディア問題で明らかになったように、いまのグーグルの信頼性はきわめて低くなってしまっています。どうしてあのような怪しげな大量の記事がグーグルのアルゴリズムをくぐり抜けて、検索エンジンのランキング上位に入るようになってしまったのでしょうか?



 前回も書いたように、それは「フェイクの基準は人間によって判断することしかできず、アルゴリズムでは判断しきれないから」ということに尽きます。とはいえ、グーグルも超巨大企業で予算は有り余るほどありますから、手をこまねいて放置していたわけではありません。さまざまな対策をとってきています。有名なところで言えば、検索エンジンの二つのアルゴリズム変更でしょう。



 この二度の変更は、「パンダ・アップデート」(2011年)「ペンギン・アップデート」(2012年)と呼ばれています。パンダ・アップデートは、品質の低いウェブページを避けて、高品質なサイトを検索上位に持っていくことを目的に行われました。ここで「高品質」と呼んでいるのは、以下のような要素を満たしたものです。



(1)ユーザーにとって有益かどうか。

(2)体系的にまとめられ、読みやすいかどうか。

(3)テーマが明確かどうか。

(4)コピペではなく、独自性が高く情報量が多いかどうか。



 さらにペンギン・アップデートでは、リンクの問題に対処されました。もともとグーグル検索は「ページランク」という、「人気の高いページからたくさんリンクされているページは良いコンテンツ」という概念が導入されていたのですが、この概念を悪用して相互リンクやリンクの売買などで見かけ上のページランクを上げようとする手法がたくさん生まれてきてしまいました。これに対応するため、リンクの売買や相互リンク集などについては排除するアルゴリズム変更が行われました。これがペンギン・アップデートです。



 さて、問題は前者のパンダ・アップデートの方です。コンテンツの質の担保として、先ほどの(1)〜(4)の項目は本当に適性なのでしょうか?



◆【保存版】「高品質なコンテンツ」作成ガイド/Google SEO | SEOパックのブログ
 初心者もすぐわかる

http://bit.ly/2mFu3Nz


 上記の初心者向けSEOサイトを読むとわかりやすいのですが、こう書かれています。「まず多くの人に訪問され、必要とされ、シェアされるページが、順位を上げます。つまりGoogleは、実は読者の反応を見ているだけなのです」。そして読者の反応が良い「高品質なコンテンツ」として、難しくなく読みやすく、読者の悩みを解決してくれて次の行動を取りやすい記事であると結論づけています。

 これらは確かに高品質なコンテンツとして必要な要素だとは思いますが、しかし十分な要素ではありません。「難しくなく読みやすく、読者の悩みを解決してくれて次の行動を取りやすい」というのは安っぽい自己啓発本や実用書にもよくある手法で、「わかりやすいが単純化しすぎ」「読みやすいが内容がない」とイコールであることも少なくありません。実際、今回問題となったDeNAのメディア「Mery」では、そうしたわかりやすく単純化された記事が人気を呼んでいた部分は決して少なくなかったと思います。



 つまるところ、グーグルの定義する「高品質なコンテンツ」は「人気」のコンテンツであっても、「信頼度の高い」コンテンツにはなっていないのです。



 読者がサイトを訪れた後のアクションから、「高品質なコンテンツ」かどうかを見分ける方法もあります。たとえば検索結果から遷移して向こうのサイトに行ったけれども、...

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