(331)なぜ時代は、イタリアからスペインに変わったのか。CL決勝の運命的な巡り合わせ

(331)なぜ時代は、イタリアからスペインに変わったのか。CL決勝の運命的な巡り合わせ

2017年05月18日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(331)なぜ時代は、イタリアからスペインに変わったのか。CL決勝の運命的な巡り合わせ

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 6月3日、カーディフで行われるチャンピオンズリーグ(CL)決勝。ユベントスとレアル・マドリーが決勝で欧州一を懸けて争うのは、97−98シーズン以来2度目だ。アムステルダムのアレーナを舞台に行われた一戦だった。

 この時、下馬評で上回ったのは、3シーズン連続で決勝に駒を進めたユーベ。対するR・マドリーは、17年ぶりの決勝進出だった。場慣れしたムードを醸し出していたのはユーベ。置かれた立場は今回とは逆で、R・マドリーは、まさしくチャレンジャーだった。

 ユーベが準決勝で戦った相手は、この時もモナコ。つい19年前を想起したくなる。そのユーベをR・マドリーは1−0で下し、65−66シーズン以来、32年ぶりに欧州一の座に就いた。そこから昨季までの19シーズンで5回、優勝を飾っているわけだが、ライバルチームのバルセロナも、その間、同様に4度優勝を飾っている。スペイン勢としては、その他にバレンシアとアトレティコが各2回、計4度準優勝に輝いている。

 一方、97−98シーズン以前はイタリアの時代だった。イタリア勢が決勝進出を逃したシーズンは90−91まで遡る。88−89、89−90もミランが連覇しているので、つまり88−89以降10シーズンで9度、決勝進出を果たしている。

 ヨーロッパリーグ(EL/旧UEFA杯)でも同じことが言える。こちらは98−99以前とするが、88−89までの11シーズンで10回決勝に進出している。その中には、イタリア勢同士の対決も4度含んでいる。

 何が言いたいのかと言えば、ユーベ対R・マドリーの前回対決を挟んでのスペインとイタリアの関係だ。97−98以降、上昇に転じたスペインと、急降下したイタリアと。ELで言えばイタリア勢は、98−99に優勝を飾って以来17シーズン、決勝に進出したチームさえ1つもない。

 この試合を挟むように、時代は大きく変わった。欧州サッカーの近代史における事件。そう言っていい。

 もっと分かりやすいデータは、CL、ELの過去5年間の戦績をデータ化したUEFAリーグ(カントリー)ランキングだ。イタリアは2000年に首位の座から陥落。以降じわじわ後退し、現在は4位に位置している。

 なぜ時代は、イタリアからスペインに変わったのか。97−98のCL決勝、ユーベ対R・マドリーの結果が意味するものはなにか。この一戦に関する考察がまるでなされていないのが日本。大きな意味を持つ試合だったとの認識さえない様子だ。5バックで守るサッカーに罪悪感を抱かせない現在のJリーグ各チームの戦いぶりを見渡せば、そう断定せざるを得なくなる。

 欧州における攻撃的サッカーは、大袈裟に言えば、自らの手で勝ち取った選択なのだ。日本との最大の違いはそこだ。...

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