フェイクニュース対策で重要なのはサイト排除ではなく、シェアする人をどうするか 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.450

フェイクニュース対策で重要なのはサイト排除ではなく、シェアする人をどうするか 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.450

2017年05月29日発行

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佐々木俊尚の未来地図レポート     2017.5.29 Vol.450
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【今週のコンテンツ】

特集
フェイクニュース対策で重要なのはサイト排除ではなく、シェアする人をどうするか
〜SNSが生み出す情報の島宇宙化にどう対処すればいいのか(後編)

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■特集
フェイクニュース対策で重要なのはサイト排除ではなく、シェアする人をどうするか
〜SNSが生み出す情報の島宇宙化にどう対処すればいいのか(後編)
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 トランプ政権誕生などポピュリズム的な政治潮流とともに、陰謀論が容易にインターネットで広まりやすくなっている問題。この問題について、メディア構造の視点から考えようというシリーズの後編です。

◆People Spread Fake News Because They Believe Anything Their Friends Post
http://slct.al/2qRJOWo

 この記事のタイトル「自分の友人の投稿を何でも信じちゃうから、人々はフェイクニュースを拡散してしまうのだ」が、この問題の本質を言い当ててますね(笑。前回も書いたように、インターネットのメディア空間が島宇宙化していて、それぞれの島宇宙で閉鎖的になってしまうことが、フェイクニュース問題の温床になっています。

 この記事では、通信社APと米国報道協会(American Press Institute)、シカゴ大学などが組んだ研究を紹介しています。1489人のアメリカ人に協力してもらい、彼らにSNSでシェアされるような形式で記事を読んでもらう実験を行いました。見出しは「体重計に騙されるな:あなたが依然として糖尿病になる危険性がある理由」。以下の記事ですね。

◆Don't let the scale fool you: Why you could still be at risk for diabetes
http://apne.ws/2qZgRs2

 実験では、記事をいくつかのパターンにわけて協力者に配信しました。まずソースとして、著名な通信社であるAPの記事として明記したパターンと、それから「デイリーニュースレビュー」という無名のソースとしたパターン。また、誰がシェアしたのかについてもいくつかのパターンが用意されました。まず著名人のシェアとして、テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーや、同じくテレビに良く出ているドクター・オズ、さらに政府の公衆衛生局長官。それから協力者の身近な人で、自分が信頼していると考えている人のシェアと、信頼していないと協力者が捉えていた人からのシェアというパターンも。

 これらいくつかのパターンの情報を与えられた上で協力者は記事を読み、その後にいくつかの質問に回答しました。この結果、明らかになったのは次のようなこと。

 「記事のソースはよくわからないけど、信頼できる人からシェアされた場合」と「記事のソースは信用できるけど、信頼できない人からシェアされた場合」を比較すると、前者のほうが記事を信頼する傾向が強い。

 つまり記事ソースよりも、誰がシェアしたかの方が大切だということなのです。ただし例外もあって、記事ソースをもともとまったく信頼してない場合には、誰がシェアしてもやっぱりその記事を信用しない。

 さて、この「ソースじゃなくて共有者である」というのは、非常に重要なポイントです。これまでフェイクニュース対策としては、怪しいニュースソースや記事を排除するということがおこなわれてきました。たとえばこの記事。

◆Facebook、フェイクニュース対策の方法を今も模索中 | TechCrunch Japan
http://tcrn.ch/2rXwFbY

 記事にはこうあります。「同社が問題を軽減するためにこれまで実施してきた対策について、例えば第三者の事実調査機関を利用して、誤解を招く見出しや嘘の記事を識別する取り組みをしていることを強調した。Facebookは他にも、ユーザーがフィード内のコンテンツに印をつけ、第三者による事実確認を依頼できるツールも提供している」

 あくまでも記事そのものか、その記事を配信するソースをターゲットにしているわけです。また本メルマガ...

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