(341)「鹿島対セビージャ」でMOMに輝いた安部裕葵がU−20チームに選ばれない不思議

(341)「鹿島対セビージャ」でMOMに輝いた安部裕葵がU−20チームに選ばれない不思議

2017年07月27日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(341)「鹿島対セビージャ」でMOMに輝いた安部裕葵がU−20チームに選ばれない不思議

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 先日、鹿島がセビージャと対戦した親善試合を観戦に出かけた。

 鹿島とスペインリーグ勢の対戦で思い出すのが、昨年12月のクラブW杯だ。決勝でレアル・マドリーと対戦し、90分の戦いでは2−2。番狂わせ寸前まで欧州チャンピオンを追い込んだ一戦だ。

 個人の技量で大きく上回る相手に、どんな手法で対抗するか。セビージャも、レアル・マドリーと同じ路線を行く技術系のチームだ。スケールではマドリーに劣るが、好チーム度では上回る。昨年末のクラブW杯で、好チームぶりを発揮した鹿島とセビージャとの一戦は(レベルの差こそあれ)、まさに好チーム系同士の好カードと言ってよかった。

 結果は2−0で鹿島。はなし半分に聞くべき親善試合の結果ながら、両者のレベル差を考えれば、鹿島の試合巧者ぶりは褒められていい。圧倒的なボール支配を許しながらもパニックに陥らない。焦らず冷静な対応ができるところに、他のJクラブとの差を感じだ。

 GK曽ヶ端が大当たりしたことも確かだった。そのマンオブザマッチ級の活躍がなければ、結果は違うものになっていた。また、後半17分に交替で出場し、結果に直結する2ゴールをマークした鈴木優磨も有力候補だった。

 しかし、実際に選ばれた選手は、曽ヶ端でも鈴木でもなかった。安部裕葵(ひろき)。意外と言えば意外だが、彼は少なくともアタッカー陣の中で、この日一番のビッグプレイを発揮していた。

 今春、瀬戸内高校(広島)から加入した高卒ルーキーだ。と言えば、当メルマガの読者ならご記憶に新しいと思う。

「久保建英よりも、鈴木優磨もよりも気になる鹿島の18歳」http://blog.livedoor.jp/sugicc402/archives/5197850.html(4月7日配信)で、言及した選手だ。さらに「初めて本田圭佑を見た時と似た衝撃。 鹿島の新人・安部裕葵にピンときた」http://blog.livedoor.jp/sugicc402/archives/5206053.htmlでも、触れている。

 かねてから、光る存在として目を凝らしていた知名度の高くない新人が、セビージャ戦のマンオブザマッチに、曽ヶ端、鈴木を抑えて輝いた。とかく素人サイドの決着で落ち着くことが多いマンオブザマッチだが、この日の選択は、核心を突く妥当な選択だと、激しく同意したくなった。留飲が下がる思いとはこのことだ。

 安部がピッチに投入されたのは鈴木と同じ後半17分で、受賞に値する決定的なプレイは、その10分後に起きた。右サイドで同SBの伊東幸敏から横パスを受けた瞬間である。傍らにいたセビージャの長身MFエンゾンジのマークをかわすプレーにまず目は釘付けになった。まず、深みのあるとラップを、ドリブルの一歩目として縦にスパッと出た切れ味鋭いアクションだ。エンゾンジを置き去りにすると、カバーに来たコルシアを今度は、俗に言うダブルタッチで交わす。

 そこはもうゴール正面。切れ味鋭い技巧を連発し、決定的なシーン...

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