先週は小川裕夫 第354号——―大企業のインタビューで考える女性活躍社会/自動車業界はEVが花盛り。では、鉄道業界は?など

先週は小川裕夫 第354号——―大企業のインタビューで考える女性活躍社会/自動車業界はEVが花盛り。では、鉄道業界は?など

2017年09月11日発行

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先週は小川裕夫 354号 2017年9月11日


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************ 目 次 ********
◇ 今週の取材
◇ 今週の掲載情報
◇ 今週の購入本
◇ 今週の都道府県市町村
◇ 今週のテツ
◇ 今週の裏話

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◇ 今週の掲載情報



「浜美枝 いつかあなたと」(文化放送)
“浜さん家のリビングルーム”(出演)

「NEWSポストセブン」(小学館)
“鉄道業界のネコノミクス 「たま駅長」だけじゃない”(取材・文・写真)

「ビジネスジャーナル」(サイゾー)
“もはや「ありきたり」SL、東武が巨費投入…衰退一途の鬼怒川温泉復活の狙い、失敗か”(取材・文)

◇ 今週の都道府県市町村



 東京の大学がこぞって郊外移転を進めていた時代、6大学として全国的にも知名度の高い、名門・明治大学も郊外移転を計画していました。

 明治大学は東京千代田区にメインキャンパスを有していますが、学部によっては杉並区や中野区にもキャンパスがあります。

 また、川崎市にも広大なキャンパスを有しています。この生田キャンパスは、駅から徒歩5分。キャンパスが広大なので、校門から校舎までには時間を要します。

 それでも、都心からアクセスが悪いという感じではありません。そんな明治大学がバブル期に移転計画として目を着けたのが、東京・日野市です。

 高度経済成長期に多摩ニュータウンとして開発された一帯は、バブル期にかけて人口が急増していきました。

 バブルが弾けると一転。東京都心部まで電車で1時間半もかかることから、サラリーマン世帯からも敬遠されることになります。

 空いてしまった土地をどうにかすべく、自治体などは大学を誘致したわけですが、明治大学も多聞に漏れず、広大なキャンパスを取得し、学生を増やせると踏んだのです。

 明治大学が購入した土地は、2009年の閉園した遊園地「多摩テック」の跡地でした。多摩テックは1961年の高度経済成長期真っただ中に開園。

 1970年代のレジャーブームを追い風に、東京郊外の遊園地として人気を博しました。さらに、当時は家庭における三種の神器として自動車が注目されていた時代です。

 3Cの一翼をなす自動車でしたが、1960年代は自家用車を購入できるほど裕福な家庭は多くなく、憧れの存在でもありました。

 多摩テックは本田技研工業が経営母体になっていたため、ゴーカート(自動車)に乗ることができる遊園地として人気を博します。

 その後、東京ディズニーランドが開園しても棲み分けができている感じでしたが、レジャーの多様化とともに遊園地の時代ではなくなったことから、多摩テックの入園者数は減少。

 老朽化ということもあり、2009年に閉園してしまうのです。広大な多摩テックの跡地は、明治大学が取得します。その交渉役だったのが三菱商事です。

 多摩テックの施設を撤去し、市が定める環境アセスメントに着手した後、同地は明治大学に引き渡されることになりました。

 ところが、明治大学はキャンパスとなる多摩テック跡地の引き渡しを了としません。同地は市街化調整地域にあるため、オフィスビル・商業ビルなどは建設できません。

 いわば、明治大学が取得することを前提に、三菱商事が跡地の整備を進めていたのです。明治大学が同地の取得を白紙撤回した理由は定かになっていません。

 理由はさまざまでしょうが、要するに郊外地のキャンパスでは学生が集まらないという判断だったのでしょう。

 いまや東京の都心部でも広大なキャンパスを持つ大学が増えています。大学間競争は激しさをましており、アクセスが不便な郊外では学生から人気を得られません。

 宙に浮いた明治大学のキャンパス移転計画は、そのまま放置されることになり、同地にキャンパスが移転してくると期待していた日野市は憤懣やるかたない思いを抱いているようです。

 明治大学VS三菱地所VS日野市という、三者三様の意見対立。まったく収まる気配はありません。

 これは、バブルによって土地が高騰し、それが招いたキャンパス移転という悲劇といえます。この件のように、法廷闘争にまで及んだケースは多くはありません。

 しかし、私たちが知らないところで、バブルに踊らされた悲劇があったことは間違いありません。

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