VR・AR・MR・SRについて現在の全体像と未来のビジョンを考える 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.466

VR・AR・MR・SRについて現在の全体像と未来のビジョンを考える 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.466

2017年09月18日発行

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佐々木俊尚の未来地図レポート     2017.9.18 Vol.466
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【今週のコンテンツ】

特集


VR・AR・MR・SRについて現在の全体像と未来のビジョンを考える

〜〜没入感の行き着く先には、リアルよりも高品質なバーチャルがやって来る

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■特集


VR・AR・MR・SRについて現在の全体像と未来のビジョンを考える

〜〜没入感の行き着く先には、リアルよりも高品質なバーチャルがやって来る
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 今回は、VR/ARの現時点での全体像をざっくりまとめる特集です。



 まずVRとARの違いを認識しておきましょう。VR(Virtual Reality)は「仮想現実」。現実の物理空間にはまったく存在しない仮装の空間をコンピュータによって作成し、その中に没入できるようにする技術のことです。AR(Augmented Reality)は「拡張現実」。仮想の空間だけでなく、それに現実の空間も重ね合わせて表示する技術です。言い換えれば、VRは現実の空間とは切り離された仮想の世界に入り込むのが目的なのに対して、ARはあくまでも現実の空間が主体で、そこに仮想のCGなどを表示するものと言えるでしょう。



 さらにこの二つを発展させた概念として、MR(Mixed Reality)とSR(Substitutional Reality)もあります。MRは複合現実で、仮想空間と現実空間を融合させていくもの。それらを単に重ね合わせて表示するだけでなく、仮想と現実の物体の間で何らかの相互作用が起きるようなものを指します。また代替現実であるSRはここに時間の概念を加えたもので、いまこの瞬間の映像と、過去に撮影された映像を重ねることによって、過去に起きたできごとがまるで今起きているかのように見せる技術です。



 最近になって急に盛り上がって来たように見えるVR/ARですが、この分野のテクノロジーの歴史は実はかなり古いのです。スタートは1968年。コンピュータ科学者のアイバン・エドワード・サザランドが世界で初めてヘッドマウントディスプレイ(HMD)を開発しました。ただこのHMDは非常に重く、天井からぶら下げて使わなければならないほどで、実用化は困難だったようです。



 その後1990年代になって、VRの第一次ブームが始まって製品も発売されるようになります。「VR」という言葉が普通にIT分野で使われるようになるのは、このころからですね。ただこの時代はまだCGもチープで、仮想空間を現実に感じるのにはまだまだでした。



 このためには液晶や描画の技術が進化しなければなりません。このハードルが乗り越えられたのは、まさにこの2010年代になってから。自分がまるで仮想空間の中にいるかのように本当に感じられるようになった最初の製品は、いま爆発的な人気を呼んでいるオキュラス社の「OculusRift」でしょう。

 昨年の2016年は「VR元年」と言われるまでになり、オキュラス社以外にもソニーの「PlayStation VR」やHTCの「HTC Vive」、スマートフォンを使うサムスンの「Gear VR」などが次々と発売され、活況を呈しています。
? 現状のVR製品はまだ、かなり大掛かりです。そもそも一体型になっていません。システムの中心は、3Dモニタと、頭部を動かした時に映像が追随できるようにするジャイロセンサーなどが実装されたHMDですが、これに加えて外部に据え置き型の頭脳部分が必要とされることが多いのです。例えばOculusRiftやHTC ViveはHMDと手で持つコントローラ以外に、高性能なゲーム用のパソコンが求められます。しかも要求するハードの品質が半端ない。日ごろからゲームをしない人は、そのためだけに高性能のゲームPCを購入しなければならず、けっこう出費が大きいのです。



 その点、PlayStation VRはパソコンの代わりにPlayStationのゲーム機本体を使うことで、一気に利用のハードルを下げたと言えるでしょう。



 一方でGear VRは、HMDにサムスンのスマートフォン「Galaxy」を挿入する仕組みになっています...

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