(349)打倒鹿島。そのためにどんな作戦を練るべきか。

(349)打倒鹿島。そのためにどんな作戦を練るべきか。

2017年09月28日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(349)打倒鹿島。そのためにどんな作戦を練るべきか。

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 試合を見ていれば分かることかも知れないが、鹿島は強いだけでなく、サッカーの中身もいい。今日的だ。サッカーは常に進歩するスポーツ。過去より現在の方が勝るのは当然なので、Jリーグ史上一番とは言いたくないが、一人抜けた存在であることは確かだ。
 
 比較の対象として、頭を過ぎるのはベンゲル時代の名古屋(95−96)だ。鹿島の大岩剛監督はその時、センターバックで堂々スタメンを張っていた。ベンゲル時代はわずか2年足らずで終わったが、彼は言ってみれば、ベンゲルチルドレンだ。選手として良いサッカーと触れ合った当時の経験が、監督となったいまに活かされている。そんな気がする。
 
 追走する川崎、柏との勝ち点差は現在8。独走状態になりつつある。良いサッカーをするチームが優勝することはJリーグにとって歓迎すべき出来事とはいえ、リーグ戦への興味は失われる。この差が詰まらず、最終節より2週も前に優勝が決まってしまえば、エンタメ性の低いリーグ戦になる。
 
 打倒鹿島。そのためにはどんな作戦を練るべきか。
 
 試合中、テクニカルエリアに立ち、指示を送りながら戦況を見つめる大岩監督。タッチライン際にボールが近づくと、コーナーフラッグ方向に片手を差し出し、そちらにボールを運べと合図を出す。そうしたシーンを頻繁に見る。外からの攻撃を意図していることは明白だ。石井前監督から引き継ぐ傾向だが、それを裏付けるのが、両サイドバックの位置取りだ。

 山本脩人(左)と西大伍(右)。この2人、地味な存在ではあるが、鹿島のサッカーを語ろうとすれば外せない重要人物だ。年齢は前者が32歳で後者が30歳。ベテランだ。西には一度だけ代表歴があるが山本にはない。もはや、代表に選ばれそうな気配はない。知名度の高さが代表歴に比例する日本にあっては、見出しを飾りにくい選手。スポットが当たりにくいエアポケットに潜む選手だ。
 
 なにより位置取りが高い。構える高さは中盤選手とほぼ同じ。サイドバックには、縦に強い槍型が相応しいと相場が決まっていたのは過去の話。始点が低かった頃の話だ。その位置は年とともに上昇。そのプレースタイルも中盤的にものに変化した。一気に駆け上がるケースより、周囲と絡みながらジワジワと前進していく傾向が強まっているのだ。
 
 山本と西はこのタイプ。プレーが中盤的なのだ。槍型ではなくジワジワ型。周囲と絡みながらボールを運ぶ。他のチームのサイドバックよりプレーに絡む機会そのものが多いのだ。
 
 サイドバックが活躍した方が勝つとは、取材した欧州の監督、評論家の口からよく出た台詞だが、両者の活躍が声高に報じられることは滅多にない。キーマンなのに、キーマンに見えないこの2人...

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