(351)現代サッカーにおける両サイドバックの重要性と日本代表の現状

(351)現代サッカーにおける両サイドバックの重要性と日本代表の現状

2017年10月12日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(351)現代サッカーにおける両サイドバックの重要性と日本代表の現状

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 3−3に終わったハイチ戦後、「私は監督を長くやってきましたが、こんなに内容が悪い試合を見たことはない」と吐き捨てたハリルホジッチ。だが、その4日前のニュージーランド戦(2−1)も、かなりひどい内容だった。2得点のうち1点はPK。相手DFの手に、山口蛍のミドルシュートが当たって得たものだが、そのシュートが向かった先は、GKの正面だった。

 相手の力、そしてニュージーランド戦を従来のスタメン組で、ハイチ戦をサブ組で戦った事実を考慮すれば、むしろ引き分けたハイチ戦の方に救いはある。「こんな試合は初めてだ」と、ハイチ戦の不出来を強調すれば、苦戦したニュージーランド戦の悪い印象は、ともすれば薄れがちだ。ハイチ戦に気を取られすぎていては本質を見誤る。

 ハイチ戦。相手の守備がガタガタだったので褒めすぎは禁物だが、その前半の戦いに限れば、むしろニュージーランド戦を上回っていた。

「サッカーはサイドバックが活躍した方が勝つ」

「現代サッカーのキープレーヤーはサイドバック」

 これは、欧州取材を通して多くの監督、評論家から聞かされた見解だ。最近の顕著な例は、パリSG対バイエルン戦(チャンピオンズリーグ第2週)におけるダニ・アウベスだ。パリSGの3ゴールすべてに絡む大活躍。パリSGの勝利は、彼の存在なしには語れなかった。

 ハイチ戦に臨んだ日本代表では、前半、長友佑都、酒井高徳が活躍するシーンがよく目についた。

 ニュージーランド戦に右サイドバックとして先発した酒井宏樹は、倉田秋の決勝ゴールにアシストとして関わったが、左の長友に比べ、味方選手と高い位置で絡むシーンが少なかった。基本ポジションの低い、いわば専守防衛的なスタイルを取った。一方の酒井高徳は、浅野拓磨、小林祐希らとよく絡み、自らも、際どく外れる惜しいシュートを放っていた。

 左で乾貴士、倉田秋とよく絡んだ長友も上々のデキだった。倉田の先制点を生んだ、ゴールライン際からのマイナスの折り返しに限った話ではない。2試合続けて先発を飾るに相応しいキレのあるプレーをした。

 ところが、メンバー交代を繰り返しているうちに、両サイドバックの存在感は薄れていく。後半頭から、左には長友に代わり、車屋紳太郎が出場した。しかし周囲の環境は、この初代表選手には厳しくなっていた。乾が前半より、なぜか真ん中に入ることが多くなったため、左サイドは車屋が単騎で構えることシーンが増えたからだ。この状態では身動きが取りにくい。

 一方、右の高い位置には、浅野拓磨と交代で原口元気が入った。しかし、原口の本来のポジションは左だ。右でプレーする原口を代表で見た記憶はない。そこに適性はあるのか? との心配は的中した。見るからに不自由そうにしていた。酒井高徳と絡む機会も少なかった。

 その結果、後半のなかば過ぎから、左の乾とポジションを入れ替わることになった。すると今度は、乾の動きが止まった。原口と同じ症状に陥った。彼の適性はやはり左なのだ。

 ピッチ上には、原口と乾を同時に使うデメリットが描き出され、その結果、前半あれほど勢いのあったサイド攻撃は、すっかり収束してしまった。

 それに輪を掛けたのが、香川真司の登場だ。視野は決して広くない。一番の問題は展開力だ。その時ピッチにいた他の中盤2人(遠藤航、井手口陽介)にも、そうし...

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