(354)監督中心か、選手中心か。伝統の狭間で揺れるジダン監督の分水嶺

(354)監督中心か、選手中心か。伝統の狭間で揺れるジダン監督の分水嶺

2017年11月04日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(354)監督中心か、選手中心か。伝統の狭間で揺れるジダン監督の分水嶺

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 レアル・マドリーの雲行きがどうも怪しい。国内リーグでジローナに1−2で敗れると、3日後のチャンピオンズリーグ(CL)でもトッテナム・ホットスパー(スパーズ)に1−3で完敗した。
 
 CLのグループリーグでレアル・マドリーが属するH組は無風区。グループ突破は確実な情勢だが、決勝トーナメントでは苦戦必至だろう。CL3連覇の道のりは厳しいと見る。
 
 何を隠そう、ユベントスに4−1で大勝した昨季の決勝を観戦しながら、あるいはと、疑心暗鬼になっていた。来季も同じやり方で戦うと、危ないのではないか。ぼんやりとだが、現在の姿を想像することができた。
 
 バルセロナはどんな時でも、ほぼ同じスタイルで戦う。基本は4−3−3。0トップで戦ったり、3−4−3で戦ったり、4−2−3−1で戦ったこともあるが、何十年もの間、3FWのスタイルを貫いている。
 
 監督の方針と言うよりクラブの方針だからだ。クラブはそれに則した監督に招く。3FWが貫かれている理由だ。「バルサは伝統的に監督ありきのチーム。対するマドリーは選手ありき。まず選手の個人能力を重視する。監督中心対選手中心。これが両者の関係を示す構図です」とは、現地のベテラン記者の言葉だ。バルサが、現在のレアル・マドリーのような2トップの下に10番タイプの選手を置く、中盤ダイヤモンド型4−4−2で戦うことは、まずあり得ない。

 レアル・マドリーは、体質的にそのあたりにこだわりがない。4−3−3だった布陣は、昨季終盤、イスコの好調が確認されると、彼を2トップ下に据える中盤ダイヤモンド型4−4−2に変化した。決勝も後半37分までこの布陣を用いて勝利した。

 しかし、後半16分、カゼミーロのゴールが決まるまではスコアは1−1で、レアル・マドリーは、ユベントスに苦戦を強いられていた。サイドを上手く突けないので、攻撃に深みが生まれなかったこと。浅く真ん中に偏ったことで、それに伴い、ターンオーバーが起きる位置も真ん中付近に偏ったこと。さらに言えば、イスコとモドリッチのキャラが重なり、とりわけ後者が本来の攻撃能力を存分に発揮できなかったことなどが、その理由として挙げられた。

 後半37分、イスコに代わりマルコ・アセンシオが投入されると、布陣は、中盤ダイヤモンド型4−4−2から、従来の4−3−3に変化した。終了の笛が吹かれたのは後半49分。レアル・マドリーの攻撃は、その12分間こそが、最も破壊力に溢れていた。マ...

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