(355)バルサほどのこだわりを貫けなかった川崎フロンターレ

(355)バルサほどのこだわりを貫けなかった川崎フロンターレ

2017年11月08日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(355)バルサほどのこだわりを貫けなかった川崎フロンターレ

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 ルヴァンカップ決勝。前評判の高かった川崎フロンターレは、セレッソ大阪に0−2で敗れた。開始50数秒に失点。終了間際に追加点を奪われるという、番狂わせを許す典型的なパターンで、だ。川崎の鬼木達監督は、メンバー交代がうまくできなかったこと、崩しに多くの人を割き、ゴール前に力を注げなかったことを悔やんだ。こちらの視点とは若干違っていた。

 川崎といえばパスサッカーであり、繋ぐサッカーだ。台風22号が接近する中で行われた柏戦(10月29日)は、そのチームカラーを象徴するような一戦だった。

 試合中止が妥当な判断だと言いたくなるほど、ひどいピッチコンディションの中で、川崎は前半、パスを繋ぎに行った。前線で構える3人の外国人に、ロングボールを蹴り込む、超シンプルな戦い方をした柏と比較することで、その特色は浮かび上がった。柏に2点先取され、さすがにこれではマズいと思ったのだろう。後半は、柏と同じようにピッチコンディションに適合したサッカーに転じたが、引き分けに持ち込むのが精一杯。首位を行く鹿島を楽にさせる結果になった。

 ルヴァンカップ決勝でも、繋ぐサッカーを全開にして戦った。開始早々、一瞬の隙を突かれ、先制点を許すと、C大阪が引き気味に構えたことも手伝い、その後はボールを一方的に支配した。

 問題は、後半なかば過ぎからのサッカーにある。後ろを固められ、次第にパスで中に入り込めなくなると、川崎はそれに伴い、放り込みを始めた。チームカラーを放棄するサッカーをしだしたのだ。

 一発勝負のカップ戦決勝。仕方のない話と言えば、それまでかも知れない。だが、こだわりの程を知るには絶好の機会になる。どこまで自らのカラーを貫くことができるか。

 引き合いに出したくなるのはバルセロナだ。このクラブは最後まで自らのスタイルを貫く。ロスタイムに入り、敗色濃厚になってもヒタヒタと攻める。かつてもいまも、だ。かつて、つまり、いまほど強くなかった頃からそうだった。この試合の川崎同様、前半早々に失点することはよくあった。

 カンプノウの観客は、集合が遅く、すべてが着席するのは前半15分ぐらいになるが、その時点で、格下相手にリードを許しているケースを、何度となく見た記憶がある。そこから猛然と追い上げを図るのだが、追って届かずというケースもあった。それでも蹴ろうとしなかった。パワープレーに走ることはなかった。勝とうが負けようが、最後まで自らのカラーを貫いた。

 バルサのCL優勝回数は5回。対するレアル・マドリーは12回。バルサが2度目の優勝を飾った05−06シーズンより前は、1対9の関係だった。だが、バルサはマドリーと互角の関係を維持していた。人気ではむしろマドリーに勝っていた。他の一般的なチームが真似することができない鮮明なカラーを持ち合わせていたからだ。...

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