(356)CL化した今日的なW杯で番狂わせを起こすには

(356)CL化した今日的なW杯で番狂わせを起こすには

2017年11月19日発行

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メールマガジン「杉山茂樹のたかがサッカー、されどサッカー。」
(356)CL化した今日的なW杯で番狂わせを起こすには

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 日本代表の欧州遠征で痛感したのは、強者が真っ当なサッカーをすればするほど、弱者にはチャンスが減るという現実だ。ブラジル、ベルギー両国のサッカーは上等だった。特にブラジルは4年前より明らかにいい。今日的なサッカーに変身した。

 チャンピオンズリーグ(CL)と同じ傾向だ。番狂わせが起きにくい時代。ダークホースが勝ち上がりにくい時代を迎えている。決勝以外、90分×2の180分マッチで行われるCLに対し、W杯は90分1本勝負。それでもCLより断然、波乱は起きやすい環境にあるが、傾向は似てきている。

 代表チームのサッカーは従来、クラブサッカーに比べ遅れが目立っていた。CLの方がW杯よりハイレベルな試合が多いと言われていた。代表サッカーは選手を集めて2、3日後にサッと試合をするため、戦術に磨きを掛ける時間的な余裕がないからだ。代表チームの戦術はクラブからの借り物にならざるを得なかった。

 その状況にいまも変わりはない。だが、代表チームのサッカーは進歩している。クラブから借りてくる戦術の中身が、よりよくなっているからだ。CLを頂点とするクラブサッカーのレベルが上がれば、その恩恵を享受する仕組みになっている代表チームのレベルも上がる。W杯もCLと似た傾向を示すことになる。

 今回、ブラジルは4−3−3で戦ったが、ブラジルの定番は長い間4−2−2−2だった。欧州には存在しないスタイルで戦っていた。2002年W杯は3−4−1−2、2006年W杯は4−2−2−2、2010年は中盤ダイヤモンド型4−4−2と4−2−2−2の中間型、そして2014年は4−2−3−1。ブラジルが4−3−3で戦う姿を見た記憶はない。何に影響されて、変化したかと言えばCLだ。ネイマールが代表で、左ウイングのポジションに就いたのは、彼がバルサに移籍した後だ。2012年にヴォロツラフで日本代表と対戦した時は、トップ下でプレーしていた。

 今回のポジションは4−3−3の左ウイング。3年前にシンガポールで対戦した時(4−2−3−1の3の左)より、さらに開いて構えていた。右ウイングでプレーしたウィリアンも、同様に開いて構えたので、ブラジルはボールが隅々まで散る奥行きが深いサッカーになっていた。大きく開いておいて、真ん中のスペースが空く所を鋭いパスで切り裂いた。かつてのブラジルからは拝めなかったサッカーを展開した。

 自ずとプレスはよく掛かった。日本の両サイドバック(長友、酒井宏)は、目の前にネイマール、ウィリアンが構えているため、マイボールに転じても有効に周囲と絡めなかった。日本はパスコースの少ないサッカーに陥ったのだ。

 ベルギーも、両サイドが思い切り開いていた。布陣は3−...

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