Vol.209 不安定な時代の投資についての考察、そして深刻な我が国のスパイ問題の裏側とスマートなデバイスに付きもののトレードオフを語る回

Vol.209 不安定な時代の投資についての考察、そして深刻な我が国のスパイ問題の裏側とスマートなデバイスに付きもののトレードオフを語る回

2017年11月30日発行

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┃人間迷路┃Vol.209
--不安定な時代の投資についての考察、そして深刻な我が国のスパイ問題の裏側
とスマートなデバイスに付きもののトレードオフを語る回
                           やまもといちろう
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                         2017年11月30日発行
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【0.序文】「たぶん起きない」けど「万が一がある」ときにどう備えるか
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 このところ、投資家界隈でも不動産や買い持ちスタイルの投資をやっているメ
ンバーの間で持ちきりな話題が2つあり、片方が北朝鮮問題、もう片方が中国経
済の信用不安であります。

 これはもう、感性の問題ですので「そう思う」か「そうは思わない」か、それ
もこれといった根拠のある話ではないので、相場観次第でどうとでも取れる内容
ですが、日本でも海外でも「この景気は長くは続かないよなあ」というもっさり
としたコンセンサスがべったりと共有認識であるグループから、そっとディフェ
ンシブな投資にウエイトをかける、という方針になったりして、興味深いところ
はあります。

 もちろん、本格的なリセッションが世界経済で起きましたとなれば、「そもそ
もディフェンシブな投資とは何か」という哲学的な命題が出てきます。マカオや
ドバイ、シンガポールといった金融セクターに置いておいたお金は不安定な状況
に放り出されますし、安定した通貨と言われても米ドルなのか日本円なのか微妙
な情勢ですし、何と言ってもリセッションに強いはずの銘柄は世界的な需要と強
くリンクしているため大幅な値崩れも覚悟しておかなければ長期保有なんてでき
るはずもありません。私もそうですが、買い持ちメインのロング愛好家は、常に
リセッションのリスクでも守れる投資先探しというのが本当の意味での死活問題
ですので、流動性の高いすぐ逃げられる資産にしておくとしても逃げる先がない
のであれば意味がないのです。結果として、需要の高いであろう人口密集地の商
業施設や、そういうところに権利を多く持っている飲食やアパレルといった手堅
い銘柄を選んで買おうとするのですが、それだってすでに割高も割高になってい
るので、どのタイミングでどう買い上がるかは「えいや」の世界です。

 ずっと話していて「もうこれ以上の景気拡大はそうそう期待できないだろう」
というところまで話がいたっても、世界中が金余りの状況になると本当に価値の
あるものに投資しようとしてもその価値を決めているのが時価であり、また、い
ろんなビジネスやセールスの果てに積み上がっている売上を根拠に価値が決まっ
ているものであれば、リセッションに突入したら売上はもちろん激減するでしょ
うし、利益は消し飛んで、YoYでどうという尺度など意味を持たなくなります。
リーマンショックのときを見返して、あのときどの銘柄が比較的損害が少なかっ
たんだっけ、と思い返したりするのが常になってきます。損をしたくないという
よりは、理不尽に嫌な思いをしたくないからこそ、必死で考えるわけでありま
す。

 その点でいうとビットコインやイーサリアムのような狂乱の世界というのも、
ある種の徒花的なものはありつつも、世界経済の流動性、マネーが増え続けてい
る状況であれば、まだまだ伸びていくのかもしれません。しかしながら、これら
の仮想通貨の問題点は税制面での不利だけでなく仕組み上きちんとした監査が組
みづらく、プラットフォーム事業者からICO発行母体にいたるまでそのB/Sは常に
外部には公開されず胴元だけが儲かる仕組みになっているという点でマネーゲー
ムに特化した非常に危うい仕組みであることに間違いはありません。

 どこぞのプラットフォームにおいても、事前にステークホルダーの中心的人物
にボリュームディスカウントをして大きな発行シェアを持たせ、イーサリアムな
どの暗号通貨と兌換させてICOでエクジットを画策しているのを見るとそれは単
なる「価格操縦なんじゃないの、大丈夫なの」という観点で問題意識を持ちま
す。仮に日本の金融当局が「仕方ないな」と思っても、そこで発生した不公正な
取引で損害を蒙るのは投資家です。私は舞台裏を知っているのでそんなものには
手を出すのをやめようと判断つきますが、一般の投資家が「ビットコインがつい
に100万円を超えた」「BTCやETH連動のICOで巨額の富が生まれるらしい」などと
話し合っているのを見ると、投資は自己責任という建前が虚しく感じられるほど
実態と期待感の間で落差が大きくあることに気づきます。

 逆に言えば、知らなければ私だって簡単に騙されるであろうし、リセッション
の臆病風が吹いてこれらのあぶく銭の集まる市場に全力で突っ込んでいる人ほど
80年代後半のバブル崩壊では済まされないほどの痛手を被る可能性があるんじゃ
ないかと思うわけです。そればかりか、そういう損害を受けて身動きが取れなく
なった人たちは、相場から退場するにあたって他の価値ある資産を処分してしま
うわけでして、当然騙されなかった人たちもアルゴリズムごと損失の発生を余儀
なくされるのです。

 誠に理不尽な話ですが、世の中はそもそも不合理であり、もともといま私たち
が同じ時代に意識を持ってこの社会でコミュニケーションを取っていることじた
い奇跡なのです。もう、そこまで哲学的に根源に帰らないと納得出来ないぐら
い、この世は言語道断と行っていいほど適当にできています。

 個人的には、そういうトリガーが北朝鮮に対する戦争という形で引かれないと
良いなと願いますし、中国経済の変調が問題の起点にならないことを祈ります。
というのも、中国経済と一口に言いますが、上海や杭州と天津、大連のあたりで
は景気が全然違います。猛烈に公共事業が引き締められ、自動車販売の総量が決
められて借金の返済もままならない地域と、凄まじい技術トレンドを牽引しキャ
ッシュレス社会どころかゴマ信用のようなサイバネティック社会を実現してしま
いかねない都市圏とでは、同じ中国でもまったく状況が異なるわけです。

 そして、いま中国の景気トレンドでいうならば、上海を中心に概ね1億人ぐら
いの経済圏で猛烈なバブルが発生して、そこででている信用創造をテンセントや
百度、アリババなどが吸収して、中国全土にサービスをばら撒いているというの
が実情で、この構造は残念ながらそう長くは続かないでしょう。そういう危うい
バランスの上に成り立っているのがビットコインであったり、日本との貿易であ
ったりすることを考えれば、投資家としてどこに危機感を持つべきか容易にご理
解いただけるのではないかと思います。

 翻って、北朝鮮問題というのはそういう問題を覆い隠す風呂敷のような役割で
あると同時に、いままで全力で推進していたジェットが何かのショックで逆噴射
するトリガーになるのではないかと恐れる部分もあるわけです。戦争はしたくな
いけれど、戦争でも起きてくれて事態が混乱し目の前の問題がごちゃごちゃにな
ってドサクサに紛れて欲しい、と思う人たちが少なくないのが実情なのかもしれ
ません。

 景気はとてもいいんだけど、本当にこんな景気が続くのか、ものすごくビクビ
クしながら迎える年の瀬になるんじゃないかと思っていまして、いま以上に気を
引き締めて生きていかなければならないなあと思う昨今です。


◆最近の書き物など◆

妊婦の海外旅行「マタ旅」の危険と「地毛証明書」の悲哀
http://bunshun.jp/articles/-/4787
「君たちはどう生きるか」 アレなトランプさんと、安倍晋三さんの時代を
http://bunshun.jp/articles/-/4862
「日本のリベラル」は科学で再興されるべき
http://bunshun.jp/articles/-/4956
育児に労働に駆り出され疲れ果てる女性と、所得が低いと怒られ馬鹿にされる男

http://bunshun.jp/articles/-/5061
「人生100年時代構想」がアベノミクス大反省会みたいになってて面白い
http://bunshun.jp/articles/-/5107

北朝鮮有事を睨む11月5日、トランプ大統領来日
http://dailynewsonline.jp/article/1371317/
NHKの異色番組『ねほりんぱほりん』でついに”ネトゲ廃人”特集が
http://dailynewsonline.jp/article/1374345/
西内まりや「社長殴打事件」の後始末に見る商品価値と精神状態
http://dailynewsonline.jp/article/1379232/
人手不足なのに、最低賃金で若者を雇おうとする経営の無能…に覆われる日本
http://dailynewsonline.jp/article/1380555/

経営者が交代し、キーパーソンも異動!――山本一郎氏が聞く、ユーザーの体制
変更の影響を最小限にとどめる銀の弾はあるのか?
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1711/20/news011.html

やまもといちろう 無縫地帯(Yahoo! JAPANニュース個人)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/
やまもといちろう オフィシャルブログ
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す。

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http://yakan-hiko.com/kirik.html

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ますので、ぜひよろしくお願い申し上げます!

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目次
【0. 序文】「たぶん起きない」けど「万が一がある」ときにどう備えるか
【1. インシデント1】ポスト「開戦前夜」と官邸に出入りするスパイ問題
【2. インシデント2】スマートなデバイスから生じるトレードオフをどう考える
べきか
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A
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